ここ数日は三寒四温、春らしい天気が続いています。昨日今日は少し冷えましたが、午後からは快晴に。浜の天気は少し風が強いですが、温暖で天気もよく、今日もすがすがしい一日でした。
今日の作業(2022.4.5)
- トルコギキョウとマリーゴールドの冠水(水やり)
- バケットの運び込み
- キンギョソウの片付け(昨日の続き)
トルコギキョウなどの冠水作業
初めての手冠水
今日ははじめに、トルコギキョウ定植後の冠水作業についてレクチャーいただきました。
植物を育てるのに大切な要素は多々ありますが、水管理は間違いなくトップレベルに大切なもの。それだけに、初日から教えていただけるも多く、メモを取るのにも力が入ります。
トルコギキョウは、種を購入して育苗をするとなると、発芽を揃えるのがとてもむずかしいそうです。そのため、種苗店からロットで購入し定植に使用します。定植直後の小さい段階では、根がまだしっかりと土を掴んでいないため、しばらくは手冠水で水やりを行います。
購入するトルコギキョウの苗は、双葉(子葉のあとに展開される葉)が2対半になります。これが、定植から1ヶ月もすると3対半くらいにまで育つそうです。その頃には節が形成されてきて、葉の根本に茎が見え始めます。
写真のトルコギキョウは4対半にまで成長しています。品種や土の保水率などで、成長の度合いは様々。同じ畝でも、乾燥しやすい場所と保水性の高い場所があり、一様に冠水するだけでは成長にばらつきが生じてしまうそう。大切なのは、土の状態をよく見て水やりを行うことです。
水やりが成長を決める重要なファクター
定植から1ヶ月程度は手冠水で水やりをしますが、なぜ通路冠水やスプリンクラーなどを使用しないかというと、苗が小さいうちは特にしっかりと水やりを行う必要があるためです。土の状態を見ながら水やりを行っていると、保水性の高いところに比べて乾燥気味の場所では、普通に水やりを行った程度では、土に水がすっと吸収されてしまうことに気づきます。これでは生育に必要な水分量には十分に至らないそうです。こういった場所には多めに水をかけて、いくらかウォータープールが確認されてからゆっくりと土に水が染み込んでいく。この状態まで水やりを行います。
丁寧に状態を見ながら水やりを行うため、一つのハウスで1時間程度作業時間を使うこともあるそうです。これをほぼ毎日水やりを行います。温度管理に水管理、それに病気が出ていないか細かくチェックする。子育て経験はまだありませんが、きっと子育てと似たような気持ちになるのではないでしょうか。
なお、同じ畝でも局所的に保水性がばらついてしまうのは、畝を立てる際に、畝立て器による荷重のかかり具合によって、土の締まり具合が変わってしまうからだそう。これについては、自分でやってみないとデータは取れませんが、技術アップにより多少の対処は可能なものか。覚えておくようにします。
水やりの際は、pF値という土壌の水分量(土が保水している水分量)を示す値が一つの参考になります。
簡単に言うと、土壌に染み込んでいる水分を、植物が吸い上げるためにどのくらいエネルギーが必要かを示し、この値が高いほど乾燥していると言えます。目安として、降雨により土壌に水分が浸透し、その後重力により(大きな間隙の)水がはけた直後の状態の値は、およそ1.5になります。
トルコギキョウの定植直後の苗では、この1.5という水分量を目安に管理をします。これは一般的な管理と比較すると高い値とのことですが、苗が小さいうちは水分は多めにあっても大丈夫だそう。むしろ生育に失敗する原因として、水分量が足りないことのほうが多々あるそうです。
pFについて
水が土壌にくっついている強さはpFという値で表され、値が大きいほど強い力でくっついていることを示します。植物が利用しやすい水はpF 1.5~3.0です。pF 1.5は雨が降った後に重力で大きな隙間の水が排水された状態の値です。pFは農作物ごとに適した値があり、例えばピーマンならpF 1.5~2.0です。
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1ヶ月ほどして生育が進んだら、pFは1.8程度を目安に管理するそうです(その後通路冠水に切り替え)。
なおトルコギキョウの苗への水やりに使用している水は、掘削井戸から引いている深層地下水。手掘りの井戸では不純物が多く、ECが高い傾向にあるため、植物の成長初期にはあまり利用したくないとのこと。
マリーゴールドにも水やり
同じ要領で7棟のマリーゴールドにも水やり。こちらはマルチングを指定ない分、土の状態がよく見えます。
これも乾燥気味のところにはたっぷりと水やりを行いました。
マリーゴールドは直射日光に弱いそうで、気温があがっても天井の内張りは開けません。側面のみ開けて、湿気を適度に逃します。研修先で育てているどの花も、基本的に湿気は苦手だそう。
#5棟 #6棟 #7棟
バケットの運び込み
花卉市場に出荷をする際は、出荷用のバケットを事前に購入して使用します。どの程度の量を入れられるかは花の品種によりまちまちで、20~50本ほど入れられるそうです。(個人用メモ:1バケ200,目安3,500で出荷)
キンギョソウの片付け(続き)
朝の作業が終えたら、先日の続きとしてキンギョソウの片付けに合流。とはいえ、やることは変わらず、ひたすら根っこを抜いて残渣を取り除く作業。とにかく手を動かし足を動かし、4畝分は残渣の取り除きが完了しました。
残り4畝はひとまず放置して、残渣が片付いてエリアだけでもシートの引っ剥がし作業に入ります。まずは防草シートを剥がすために、大地に打ち込んだUピンを引き抜く作業です。アウトドアで使用するペグを抜く作業に似ており、できるだけまっすぐ引き抜くことでピンが曲がらないように注意する必要があります。
これが結構腰にクル…
それが終えたらシートを丸めて保管。とはいえ約半年の役目を終えた防草シートには、コケやら残渣やらがこびり着いているため、ある程度コテなどで削り取りながら丸める作業。シートも結構値打ちがするものなので、できるだけ再利用できるようにするため、このひと手間は大事です。
一畝分を片付けるのに約30~45分程度でしょうか。コケなどのこびりつき具合によりますが、およそ1メートルあたり1分弱という作業時間。結構片付けって時間がかかるんだなぁと実感した次第です。
シートを引き剥がすと、あとはマルチングが残るのみ。最初の散乱した様子から比べるとだいぶすっきりとしてきました。でもって今日はここまでで作業終了。途中ほかの作業で一時抜けたりしてはいますが、3人がかりで約2日間かけてもここまでの途中経過です。今後、自営で営農を開始した場合、通年作業できるのは自分ひとりなので、一人で作業にあたった場合のことを想像すると…覚悟で身が引き締まる思いです(笑)。
限りある時間でどこまで作業ができるか、具体的に想像しながら、一つ一つの作業にあたっていきたいと思います。
#17棟
今日の備忘メモ
- 苗の手冠水用に散水幅が広く、柔らかく水が出るノズルを専用に用意する
- pF値を指標にしつつ、土の様子をみて冠水作業を行う
- トルコ定植直後は16℃以上をキープ。1ヶ月たったら10℃以上。朝方でそれよりハウス内気温が高い場合、内張りを開放する
- スマホは防水ケースに入れて持ち歩いたほうが良さげ…途中水をかぶったりするので--;