今日は晴れのち夜は雨。とてもあたたかく、畑日和な一日でした。
浪江町の収入補填補助金の申請に必要な書類を準備しつつ、研修先より研修証明書の発行手続きなど、研修開始後の事務的な手続きも着々と進めております。あれこれ提出するものが多くて大変ではありますが、前職の忙しさに比べれば些細なものなので、ストレスにはなってません。むしろ楽しんでコトを運べております。そのうち、移住に関して行った手続きなどをまとめた記事も作りたいと思います。
今日の作業(2022.4.7)
- 産地間交流(JA福島さくら)出荷のため、集荷場へ花を運送
- 畝立てとトルコギキョウ定植の準備
産地間交流のための出荷対応
福島県の農協はエリア毎に4つの管轄に分かれており、福島市を中心に県北エリアを管轄する「JAふくしま未来」、県南エリアを管轄する「JA東西しらかわ」、会津エリアを管轄する「JA会津よつば」、そして双葉郡からいわき、郡山周辺を管轄する「JA福島さくら」があります。浪江町は「JA福島さくら」のエリアにあたりますが、「JA福島さくら」だけ広域圏の展開を生かした"産地間交流"の制度の整備を進めているそうです。ざっくり簡単に言うと「JA福島さくら」の管轄内に7つの直売所がありますが、生産者から仕入れた農産物を定期的に集荷(浪江は木曜の朝一)して、エリア内の直売所で販売してくれるというものです。
今日はあさイチで、この産地間交流に出荷するようの花を集荷場へ持っていくのに同行しましあ。
出荷する際は、スリーブに入れた花をそのまま持っていけば良いのですが、花を入れる専用のバケツなどはありませんので、大きな缶に入れて出荷します(この缶はガソリンスタンドに依頼すると無料で手に入るらしいです。出荷に使った入れ物は無くなることが多いので、重宝するそう)。先日の市場用出荷とは異なり配送料などはかかりませんが、販売手数料だけ必要とのこと(18%)。また、スリーブに入れるバーコードシールはJAで手配をしてくれるそうで、事前に販売価格を申請するようです(価格は生産者の任意)。
なお、私の研修先では、高品質の花を適正価格で販売するため、主な販路は東京などの花卉市場をターゲットとしています。
今回の産地間交流に出荷する花は、市場への出荷から漏れた花になります(市場に出す規格には合わないが、品質が良いもの)。そのままでは廃棄処分になってしまう運命の花たちですが、第二の販路として、直売所(産地間交流)を活用することで、プラスの売上が確保できるようです。
なお、直売所などをメインの販路として活用しようとすると、労力に見合った採算が取れないことが多いそう。これは、直売所での主な競争相手が、リアイア組のおじいちゃんおばあちゃん達だったりするので、低価格競争なりやすいことが理由の一つに挙げられます。
とはいえ、お盆や彼岸の時期には売上もあがりやすいので、直売所への出荷はうまくバランスやタイミングを見て活用するのが良さげと感じました。
畝立てと定植準備
はじめての畝作り
今日はトルコギキョウを定植(植え付け)するための畝づくり(畝立て)と定植準備を行いました。連日、様々な作業に順よく携わらせていただいておりますが、個人的に畑仕事といって思い浮かべる最初の作業が畝立てなので、とてもワクワクしながら実習しました。
事前準備として、ハウス内の土壌を耕運機で耕しておき、ふかふかの土にしておきます。また、事前に肥料などを撒く場合は前日までに土に放っておきます(今回のハウスはトルコギキョウを植え付けますが、Fusariumの被害を減らすためにバイオエースやカニガラ、放線菌などを事前に撒いてありました)。この準備は昨日のわたしが欠席している日に作業したそうです(毎週水曜と土日は基本的に研修休みとしてました)。
畝作りにあたって、まずは畝と通路幅から、畝を立てる位置を計測します。研修先では、側面の通路幅を75cm、畝幅を75cm、畝間の通路幅は60cm程度になるように作るとのこと。畝高は15センチほど、でマルチは90cm幅の白マルチ、防草シートは70cm幅かと思います(確認取っていないので目測)。
計測する際は、ハウス側面の母屋パイプからの距離を測ります。きれいに等間隔となるように微調整…。
畝の中心となる位置を決めたら、両端に支柱をたてて、ヒモを張ります。紐の中心を歩いて足跡を残し、後ほど畝立て器で畝を作る際に中心を取れるよう目印をつけておきます。
写真の通り、畝の中心が決まったら、一旦支柱やヒモはすべて外し、畝立て器で畝を作ります。
畝立ては後退しながら行うので、畝の数が奇数の場合、一度前進でハウス後方まで畝立て機を運びます。運ぶ際は、畝になる部分を踏み越えないといけないので、先程引いた中心をなぞりながら進み、終端まで進んだら後退にて畝立てを開始します。
畝立てを行う際は、先程つけた足跡の目印を目安にしながら、きれいにまっすぐになるよう後退しながら畝を作ります。途中土の塊などがあると畝立て機の進行が遅くなる(止まる)ので、力をこめて引っ張ります。まっすぐ進むには少しコツがいるようです。別ハウスで畝立てを実践させてもらいましたが、個人的には以下の2点を意識するとまっすぐ進むと感じました
- 足もとの中心ばかり確認せず、前方の出来上がった畝を見ながら進める
- 常に、進行方向にゆるやかに力を込めて引っ張る
自分用メモ 畝立て器の使い方 <エンジンのかけ方> 1.ハンドル右の運転ボタンを押し込みながら運転モードに切り替え 2.リコイルスターターのヒモを引っ張りエンジン始動 <運転の仕方> 1.ギアの切り替えはハンドル付け根中央部。前進・後進、高速・低速の切り替えができる 2.エンジンの回転数調整はハンドル右のレバー。畝立て時は高速、それ以外は低速に 3.エンジンの動力をタイヤや刃に伝達させる場合、ハンドル左の大きなレバーを奥に倒す 4.刃への動力伝達切り替え(刃は回さない、低速・高速など)は、ハンドル左の付け根部分のレバーで切り替え 5.両ハンドルに各タイヤのブレーキがついているので進行方向の調整にはこれを活用(クラッチ)
器械による畝立てだけでは、末端部分がうまく形成されていないため、これは手作業で形成します。
まず畝の両端の位置を明確にするために、入り口から3本目のパイプがある位置に支柱を立ててヒモを張ります(入口側は妻面から数えて3本目のパイプがある位置。終端は後ろから2本目のパイプ。なお暖房機と重なる畝については、パイプ1本分ずらして開始 ※4本目を開始に)
張ったヒモを目安に杉板をあてがいながら角を立てて形成していきます。バケツで砂のお城を作っていくイメージです。ここで大切なのは、畝の表面をしっかりと平面にすること。機械で立てた畝と畝高が同じになるように注意します。特に入口側は土が多く、盛り上がってしまいがちなので、たまに遠くから見ながら、土が盛り上がっていないか確認して進めます。
ここで畝の面が平面でなかったり、傾斜がついたりすると、トルコギキョウに供給される水分量に偏りが生じてしまいます。
うまく終端部分が出来上がったら、ヒモを外し、通路の土を平にします。畝間の土がもりあがっているので、レーキでならしたあと、足で踏み固めます。
マルチングはまっすぐピンと引くのが大切
マルチングは二人掛かりで行います。
まずマルチング材がラップのように筒にまかれているので、これを引き出しやすいよう、筒に鉄棒を通します。マルチング材の端を固定した上で鉄棒の両端を持って歩けば、勝手に引き出されるという仕組みです。
畝の入口側の先端でマルチング材を少し引っ張り出したら、マルチの真ん中に印が印刷されているので、それを畝の中央に合わせてTピンで両側を留めます。
一マルチを終端まで引き出したら、ハサミでカットし終端をピンで仮止め。再度入口側から、マルチが中央からズレないよう注意しながら、Tピンで留める作業です。
ピンを打つ間隔は、側面のパイプ3本〜4本ごとが目安。
マルチにシワがあると、苗が育つときに引っかかったり、水がうまくホールに入らなかったりと問題につながるので、できるだけピンと張ってマルチングできるように意識します。
マルチ張りを終えたら、本来であれば防草シートを通路に敷くのですが、今回は飛ばして次の作業に。
畝の中央部にスミサンスイという冠水用のチューブを這わせるのですが、冠水した際に水が染み込むようにマルチに穴を開ける必要があります。そこで取り出すのが写真にあるような木釘が付いた器具。畝の中央に沿って、小さな穴をあけていきます。
穴を開け終わったら、スミサンスイを中央にそって敷きます。末端部分は黒丸で留め置き。
フラワーネットを張るといよいよ見慣れた畝に
お次はフラワーネットを張ります。15cm×5列ですが、トルコギキョウを植え付けるのは中央の一列を除いた4列分のみ。
フラワーネット単体だとピンと張るのが難しいため、マイカ線や木の板を使用して作業を行いやすいように下準備をするのですが、今回は省略。すでに作ってあるネットを張ります(ちなみにフラワーネットの末端の処理は、下記のサイトに掲載されているやり方で間違いないと思います)。
「切り花栽培におけるフラワーネット張りの省力化技術」
農研機構 https://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/seika/jyouhou/H13/yasai/H13yasai030.html
まずは畝に合わせてフラワーネットを畝の上に置きます。うねの中央からズレないように注意しつつ、両端を引っ張りながら畝とフラワーネットの先端をあわせます(なおネット末端の1枠分は植え付けせず、2枠めから定植に使用するそう)。ピンと張った状態で木枠の留具に支柱をさします。終端も同様の処理。
つぎに黒丸を使用して、一定間隔でフラワーネットを畝に留めます(側面パイプ4つ分くらいの間隔=1.8mくらい)
これでフラワーネット張りは終了です。
定植用の穴あけ作業は見学のみだったが、人生で初めて畝立て器を扱ってみた
使用しているマルチには定植用の穴が空いてません。空いているものも市販されていますが、フラワーネットに合わせて穴が空いている必要があるため、既存の穴だと合わせるのが大変。そのため、手作業で穴あけ作業を行います。
穴を開ける器具は色々ありますが、研修先ではバーナーを使用するやり方を採用しています。
(去年、農業体験でお邪魔した際には、バケツの中で炭を焚いて、10cmくらいの単管パイプの芯を温めて手作業でくり抜いてました)
温めたバーナーの先をマルチに押し付けると、きれいに円ができます。一定のスピードでリズムよく穴を開ける作業は見てて楽しそうですが、少しずれるとフラワーネットも焼き切ってしまうため、神経を使いそうです。
今回のハウスの穴あけ作業は見学のみ。別のハウスで実際にやらせてくれるそう。楽しみです。
穴あけ作業は見学だけでしたが、別ハウスでは畝立て機を実際に操作させてくれました。
人生で初めての操作だったので、教わるのに集中する意味でもカメラには様子を収めていません^^;
出来上がった畝は下の写真。一番右の奥側から始めたので、右の畝は結構うねってますね(ダジャレじゃないです)。でも初めてにしては上出来かな?
畝立てたあと末端部分を作ったところで今日の作業はおしまい!続きは明日行うことにします。
#3棟 #4棟
今日の備忘メモ
- 畝の末端を作る際は、クワで掘り起こして畝高を確保するときれいに仕上がる
- 畑にまく資材はフザリウム対策が大半。要勉強
- 側面のパイプ支柱間隔は45cmがスタンダード。大きなハウスだと60cmが主。