就農体験記 新規就農を目指して

研修日記 22日目 - 2022年5月10日 -

畑の隅に植えられているコデマリ

今日の作業

  • スプレーマムの定植準備と定植

スプレーマムの定植準備と定植

長かった準備もマルチへの穴あけで終了!

お盆出荷に向けた菊の露地栽培について、計11畝のマルチングと防草シートの設置が終了し、いよいよもって最後の工程、マルチ穴あけ作業に入りました。

といっても、バーナーでひたすら穴を開けていくだけの作業になります。

一畝につき、外側の2条列のみ穴を開けますが、一列あたり110穴あります。そのため、1畝あたり220穴。11畝で2420穴の穴あけ作業です。

数で見るとなかなかですが、作業自体は慣れたもの。テンポ良く穴あけをし、フィルムのゴミ取りを含めて1時間と20分ほどで作業が完了しました。だいたい2~3人くらいで対応したので、一人でやったら、1000穴あたり66分程度の作業時間となります。営農計画立ての参考までに…

バーナーでの穴あけ作業も慣れたもの

なお、作業前日が雨だったということもあり、畝は多分に湿っていました。

湿り気があるとフィルムが加熱部分にくっついてしまい、うまく穴を開けることができません。通常よりもバーナーを高火力に設定することで、対処できます

水気が多いなどの理由で、うまくフィルムに開かないとこうなる

そのままスプレーマムの定植へ

定植準備ができましたら、そのままスプレーマムの定植へ移ります。

苗は4月末に挿し芽をしたものを使用。挿し芽については下記記事を参照ください。

挿し芽からおよそ20日後、苗として仕上がったスプレーマム

挿し芽からちょうど20日が経過し、植え付けに使用できる苗となりました。

生き生きと葉を伸ばし、新しい芽が形成されていれば、しっかりと根が張っている証拠

本来であれば、根鉢が形成されてから植え付けると良いのかもしれませんが(未確認)、菊は丈夫だということで、早い段階で植え付けを行っています。

しっかりと根が張っているのが確認できる。でも根鉢が形成されるほどではない
露地栽培のため、風邪で苗が倒れないようにしっかりと土を押さえて定植する
菊を植え付けている様子。キツめに土を寄せる
発根が進んでいない苗。菊は乾燥に強いので、この状態でも植え付けに使用した

植え付け自体は、苗をマルチの穴に、浅すぎず深すぎずで植え込み、しっかりと土を抑えるだけです。

露地栽培のため、強風にさらされることを考えて、苗が倒れないように強めに土を絞めます

苗によってはほとんど根が伸びておらず、かろうじて発根が確認できるような状態のものがありましたが、気にせず植え付け。乾燥にはことさら強いので、枯れてしまう心配はほとんどないでしょう。

#露地

今日の備忘メモ

  • セイアドリアのみ、発根が進んでいない株が多かった(セイアドリア全体の1~2割程度で発根確認されず)。ほか品種では程度は異なるがほぼ全てで発根確認できていたので、発根にかかわる要因の品種差がありそう。
  • 苗トレーの外側で発根具合が弱い個体が体感多かったように思える。おそらく照度が影響か?(乾燥)

挿し穂は、根圧の強い力による水分の補給がないため、乾燥には著しく弱い。また、切り口は表皮で覆われておらず、内部組織が露出した状態であるため、病菌が進入しやすく、抵抗性も著しく低い。さらに、新たな養分(肥料成分に加えて光合成など)の補給がなく、挿し木と同時に発根、萌芽などの生存維持のための消耗がはじまるが、これらの生長のための養分は穂木に蓄えられている養分のみに依存している。特に、発根は新たな組織を形成するため、多大なエネルギーに加えて、新たな細胞を形成するための養分も必要となる。従って、挿し穂の中に含まれている養分の多少は挿し木の発根率に大きく影響を及ぼす。また、挿し床は切口の水分管理や病害の管理などの面から重要な要素である。

発根が困難である場合の理由
①乾燥に弱い、②挿し穂が腐りやすい、③生長ホルモン(オーキシン)の体内活性が低い、④発根阻害物質が体内に含まれる、⑤切り口から酸化しやすい(褐変しやすい)、などがある。

岐阜大学応用生物科学部園芸学福井教授のHP https://www1.gifu-u.ac.jp/~fukui/06-4-03.html

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