ここでは花卉栽培におけるフラワーネット張りの後に行う、支柱立ての作業について解説します。
注意事項
ここで紹介していることは、私が個人的な備忘録としてまとめているものになります。そのため、閲覧される際には下記についてご注意いただき、ご理解いただけますよう何卒お願い致します。
- ご指導いただいた研修先での確認校正などは行っていないため、内容に間違いや相違などがある可能性があります
- 随時更新にて記事を仕上げていくため、内容に空欄や不明確な記載があることがあります
- 個人的な備忘録として知識や手法をまとめているため、あくまで参考程度にご覧ください
支柱を立てる意味
作物の成長に合わせて、順次フラワーネットを引き上げていきます。
植物はネットに合わせてどんどん成長していくので、これがずれてしまうと歪曲して成長してしまうことになり、花の商品価値が下がってしまいます。
随所に支柱を立てることで、しっかりとフラワーネットにテンションがかかり、がっしりと植物体を支えることができるのです。
用意するもの
支柱として使用するのは、内径19mm・長さ1.5mのスチールパイプ。
1m近くまで花は成長するため、それに合わせてフラワーネットも引き上げていきます。そのため支柱は1.5mほどの長さが必要です(30cm程度は土に埋もれることになります)。
畝長に合わせて本数を用意し、1.8mごとに立てていきます。そのため、一つの畝に必要な支柱の本数は以下の式で求められます
畝長Xmに必要な支柱の本数 = (X/1.8)*2 例:畝長20mの場合、22本の支柱が必要※両端に必要な支柱は除く (20/1.8)*2 = 22.2
ただし、隣り合う畝で同じ位置に支柱を立ててしまうと、通路部分を移動する際に通行のじゃまになるので、互い違いに立てていくのがポイントです(後述)
そのため、上記の式より、必要な数は多少前後します。
支柱の立て方
作業のタイミング的には、フラワーネットを畝に張った後、マルチに穴あけを行う前になります。解説に使用している写真では、トルコキキョウがすでに成長している畝で作業を行っていますが、この場合だと、定植穴とフラワーネットの枠がずれてしまう可能性があり、あまりよろしくありません。
ハウス内の必要な位置に支柱を運ぶ
まずはハウス内の支柱が必要な場所へスチールパイプを運んでいきます。
おおよその位置で構いませんが、1.8m毎に支柱を立てることを意識します。
支柱を立てていく
初めに、入口側の端の支柱をテコで支える
フラワーネットにテンション(張力)をかけるように支柱を立てるのですが、入り口側を起点に作業を行います。
支柱の引張りや、ネットの重みで起点がずれてしまうといけないので、入口側のフラワーネットを支える支柱に斜めにテコを入れます。
このとき、テコに使用するスチールパイプの、土に差し込む方はフラワーネットの外側、支柱にくくりつける方は支柱の内側になるように気をつけます。理由は、ネットを引き上げていくときに引っかかりを防ぐため、通路の歩行を邪魔しないためになります。
一方向にテンションをかけつつ差し込む
1.8mごとにフラワーネットの両端とエクセル線を引っ掛けるようにして、支柱を畝に差し込んでいきます。
このとき、支柱を外側・奥側に引っ張るようにして、フラワーネットがピンと張るように気をつけてください。とても重要なところです。コレを失敗すると後で泣きます。
(イメージ図作成中)
上に引き上げたときに支柱にしっかりとひっかかりを感じるくらいが適切です。
片方の支柱を畝に差し込み、もう一本の支柱をグイと引っ張ってから差し込むと失敗せずにすみます。
土に差し込む方向に気をつける
スチールパイプは丈夫ではありますが、消耗品です。少しでも長持ちさせて、毎年同じハウスで使用できるように管理します。
土に差し込んでいると、中が空洞になっているため内部に泥や砂が入り込み取れなくなったり、錆が発生したりします。そのため、地面に差し込む側は常に一定にするように気をつけてください。外に出ている側の支柱の端には、ハサミを差し込んだり、テープで印をつけたりするので、できるだけ綺麗なまま保ちたいのです。
また、なるべく支柱のドロやサビは、その都度洗ったりこすったりして取り除くように心がけると良いです(それだけに作業時間を割くのはナンセンスですが)
支柱置き場の作り方(作成中)
支柱は、作物育成中以外はハウスの外で保管しています。
雨風が当たらない場所であれば良いのですが、スペースの関係上、それと移動の関係上そうもいかないです。
スチールなので丈夫ではありますが、地面にベタ置きすると、風雨にあたり、虫が巣食い、ドロにまみれて使い物になりません。
そのため、板とコンクリートを用いて、簡易的な保管台を作成します。
作り方は省略。写真を見ながら、丈夫でぐらつかないように土台を作れば大丈夫です。その場の資材や環境を見て臨機応変に!