就農体験記 新規就農を目指して

研修日記 21日目 - 2022年5月9日 -

今日はあいにくの雨。気温はだんだんと高くなってきましたが、まだまだ天気によっては体感温度は急激に下がります。

心身ともに充実している気ではありますが、五月病の言葉もある通り、体調を崩さないことを意識しなければいけませんね。

4月に暮らしの基盤はある程度固められたので、ウェブサイトの更新を続けながら、5月は栽培方法ノートとプロフィールページの作成を目標に頑張っていきたいと思います。

ヘビイチゴの花。可愛らしい黄色の五弁花が目を引く

今日の作業

土壌還元消毒のため米ぬかの散布

土壌還元消毒の続きをやっていきます

先日の記事(↓リンク参照)で紹介しましたが、病気の被害が著しい9号棟のハウスについて、還元土壌消毒を行っています。

4月末に転炉石灰を撒いて、pHを7.5程度まで上げる作業を行いましたが、今日は微生物のエサとなる米ぬかを撒く作業です。

米ぬかを撒いたあとに水をたっぷりと入れて水分過多の状態にすることで、嫌気性の菌がエサと酸素を一生懸命消費して土壌中が酸欠(還元)状態にし、悪さをする病原菌(ほとんどが好気性の細菌や菌類)を殺菌することができます。

米ぬかの香ばしい香りに包まれて

というわけでまずはハウス内に米ぬかを撒いていきます。

通常は普通の米ぬか(精米機のヨコで無料で手に入るアレです)を使用するのですが、今回は脂肪分を抜いた脱脂ぬかというものを使ったみたいです。県職員いわく、どちらでも効果に違いはないとのこと。

土壌還元消毒に用いる米ぬかは1ha(10a=1000㎡)あたり、1tを使用するのが適正です。今回はハウスの面積に合わせて200kgを入れ込みました。

ハウスの面積に応じて米ぬかを入れる。今回は200kg
米ぬかを散布し終えたところ

ハウス内に均等になるように、手作業で撒いていきます。

顆粒状に加工された脱脂ぬかを使用しましたが、細やかな粉塵がハウス内に撒い、衣服は白く粉がつもりました。

米ぬかの美味しそうな、香ばしい香りに包まれ、収穫期に米を収穫している風景が目に浮かびました。いやーお腹が空くなぁ。

一面がアイボリーホワイトに染まるころに撒き終わり。

そうしたら、トラクターで耕うんを掛けていきます。

米ぬかのすき込んだ深さまでが、土壌還元消毒の効果が期待できる層とのこと。今回の耕運では深さ20cm程度でうなったそうです。そのため、病原菌の被害の低減を期待できるのは土壌深度20cmあたりまで。それ以上深く根を張ると、土壌病害の発生可能性が高まります。なお深耕ロータリを使用すれば、さらに深くまで効果を期待できるそうですが、栽培期間を考慮して今回は不要との判断。(深耕をかけることのデメリットなどもあるようで、そこらへんも勉強次第追記します)

米ぬかを散布し終えたら、トラクターで耕うんし、填圧する

米ぬかをすき込んだたら、填圧して水びたしに

米ぬかを撒いたら、土壌に水を流し込んでそのあとビニールで被覆するのですが、水を先に入れてしまうと土壌がズブズブになってしまい、ビニールで覆う作業が大変面倒になってしまうので、先に被覆材の設置を行います

なお、被覆材の下にホース(スミサンスイなど)を入れてから覆えばいいのではと考えたと思います。研修先でやったことがあるらしいのですが、スミサンスイを入れたラインにのみ水がかかり、全体的にまんべんなく水を浸透させることができなかったため、先に水を撒いてからビニールで覆う方法に切り替えたそうです。潅水設備によってはうまくできるそうですが、何事も試行錯誤ですね。

使用しているビニールは普通のポリ塩化ビニルフィルムです。

これをハウスの長さにカットし、ハウス内が十分に覆える列数分を切り出していきます。今回は3列分切り出しました。

適当に覆えることを確認したら、あとで引出しやすいように注意しつつ、畳んで奥の方に寄せておきます。

水をかける前に、被覆材の設置だけ行う
被覆材を畳んで、水を入れていく。今回はスミサンスイを2列使用

あとはスミサンスイを用いて灌水するだけです。

ただし2日間ほど水を出しっぱなしにしないと目標の水量まで届かないとのこと。

ビニールの被覆作業が行われるのは、おそらく水曜以降になるようです。

引き続き作業に携わりたいと思います。

スプレーマムの露地定植へ向けた準備の続き

こちらは前回に続いてのスプレーマム定植畑の準備。

天気は崩れ、2~3mm毎時ほどの降水がありましたが、今日一日で、なんとか防草シートの設置までは進みました。

あとはマルチへの穴あけを残すのみなので、そろそろ菊の定植にも着手できそうです。

ブドウが植わっているハウスの掃除

雨も激しくなり、天気が悪くなってきたので、後半はブドウが植わっているハウスの掃除を行っていました。

研修先では、他施設の職員が野菜なども栽培しているため、その関連でブドウも育てているようです。

4月から一気に展葉し始めたブドウの木。5月上旬には若々しい葉が元気に広がっている

昨年収穫・剪定した際の、枝や葉がそのまま放置されていたので、ホウキで掃いて集めて捨てるだけの作業なので、特筆すべきことはありません。

ただ、個人的に学生時代にワイナリーのアルバイトをやっていたため、ブドウには多少愛着があります。この品種はなんだろうなーと思いながら、久方ぶりに間近で見るブドウの姿に、とても癒やされました。将来的にブドウを育てるのも…アリか…?(ワイン用品種を作付けして、醸造所に降ろすとか…バイト先のオーナーならきっと買い取ってくれると期待!笑)

わかりやすいほど散らかっているので掃除の達成感が感じやすい

今日の備忘メモ

  • スミサンスイはワイドと通常タイプがある。ワイドでは広く散水が可能なほか、素材が丈夫で耐久性に優れているそう。なおトルコキキョウで灌水に使用する際は、マルチの上に下向きに配置するため、ワイドかどうかはほぼ関係ない。耐久性のみがメリットに

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