日々を綴る 浪江町の暮らし

浪江の海を見て

今日は水曜日のため、農業研修はお休みでした。

昨日まで気温が低く寒い日が続いていましたが、梅雨前線が少し南下したようで、先日出されていた予報より少し天気が回復し、浪江では快晴の空を拝むことができました。

日中は勉強と仕事を少しこなし、午後は息抜きに、町の探索に。

快晴の海、平日に望む

自宅からおおよそ10分ほど車を走らせると、「請戸漁港」へと到着します。

震災以降に新しく「請戸新港」として整備されたこともあり、広々としてキレイな様子。公衆トイレもあります。

水揚げの時間帯でなければ、平日日中はほとんど人の姿がありません。私みたいに、海を見に来る方がぽつらぽつら訪れるだけですが、釣りスポットとしても隠れ人気があるようです。

5月の請戸浜
遠浅の海岸へと打ち寄せる白波の波音に癒やされる

内湾に車を留め、防波堤を少しだけ乗り越えて見ると、目の前に広がるのは穏やかにきらめく砂浜。

砂質は細かく、少し水分を吸っているからか、とても歩きやすい印象。車で走ってもスタックしないだろう程度の固まり具合です。

ネット情報によると、震災以前は海水浴場として親しまれ、サーフィンなどを楽しむ方も多くいたそう。

現在は、浜への立ち入りは可能ですが、遊泳は禁止されているとのこと。

中高と水泳や男子シンクロを楽しんでいた私なので、できれば泳ぎたかったなぁ。仕方ないか。

村上海岸という場所が海水浴と釣り場として開放されているようですので、今度そっちにも行ってみようかと思います。

ハマエンドウの群生

マメ科のハマエンドウ(Lathyrus japonicus Willd. var. japonicus)が群生していました。

日本全国や国外でも、海岸などで見かけることができる多年草だそう。

高塩分環境に適応するため、他のエンドウと比較すると葉が肉厚です。

マメ科らしく、若葉や花など根以外は食用可能。おひたしや天ぷらなどで食べられるらしいので、今度チャレンジしてみよう。

キャンプファイヤーの跡でしょうか。浜には大きな石や丸いきれいな石、流木や貝殻などがたくさん落ちています

大学時代、新潟に住んでいた頃は、よく海に足を運んでいました。

辛いことや葛藤を叫びに行ったり、海辺で天体観測キャンプを行ったり、夜な夜な焚き火で語り合ったり。

年中風が強く、海辺で野宿したら朝方砂まみれになり、冬はとてもじゃないけど(強風のため)近寄れない。そんな日本海のイメージが、"海"にありました。

浪江の海は、浜通りの穏やかな気候から分かる通り、とてもおおらかで、波の音がしっかりと響き、一直線の水平線(佐渡ヶ島が無い)が印象的。請戸の砂浜は遠浅なのか、なだらかな傾斜の海岸線が、長く続いています。

これから、こっちの海が私のステータスになるんだな、長い付き合いになるんだなと思い、晴れやかな空と請戸の海に心の中で挨拶。

ちらほらとある流木や、昔誰かが焚き火をしたであろう残骸などを見ていると、かつて一緒に海で遊んだ友達は、今近くにはいないのだなと少しセンチメンタルな気分にもなったり。

でも浜に落ちている漂流物や、食用可能な植物などを発見したり、釣りの楽しみに思いを馳せたりしていると、気分はまるで「どうぶつの森」でしたね。

魚介卸「柴栄水産」の直売所

柴栄水産の直売所「いちます」が、請戸漁港の直近にありますので、初めて行ってみました。

震災前から、「請戸モノ」として、白魚やヒラメ、カレイ、貝類、タコなど、非常に評価が高い魚介類を降ろしていたようで、前々から期待大!

広い駐車場に車をとめて中に入ってみると、広さはいたって普通の直売所くらい(ショーケースは3mくらいのが3つほど)

入り口でアルコール消毒をして、ケースを覗いてみると、特産のしらすや白魚、大きなタコやイカの冷凍食品に、のりや昆布などの乾物。それと水揚げしたばかりの鮮魚がズラリ。

特に鮮魚。30~40cmはあるだろうメバルや真鯛、ヒラメなどが、300~700円程度でショーケースに並んでいました。激安!

ここらへんではイオンと道の駅くらいでしか食品を買うことができないので、この価格で新鮮な魚介が購入できるのは非常にありがたい…これはリピ確定ですね。

店の外観などは今度撮影して、浪江の立ち寄りスポットとして連載記事にまとめようかなぁ。

村社 貴布祢神社に立ち寄り

貴布祢神社訪問

海の近くに神社があるとグーグルマップ先生からお告げをいただき、ちょっと立ち寄り。

案内看板を見るに、会津西方の大山祇神社が摂社とのこと。名前と土地柄からして、水にまつわる神様を祀っているのかと思います。

浪江町の貴布祢(きふね)神社
震災復興を見据えた課題の多さが読み取れる案内板
鳥居をくぐってすぐにある東屋。一休みするにはちょうどよい石造りのテーブルが置いてある

スギや広葉樹に囲まれ涼やかな雰囲気の境内。

今となってはお参りする人はあまりいないのでしょうが、想像よりも中はきれいに整っている印象でした。参道も歩きやすく、蜘蛛の巣や蜂の巣もなかったので、こまめに掃除はしているんだろうか。

風が気持ちよく、心落ち着くスポットでした。また、訪れたいと思います。

参道は数十段の石段を登る。階段や境内は思ったより整備がされているよう
手水舎の亀(左にある物体、石かと思ったら桶だった)
小高い山の上に開けた境内と拝殿
先日起きた地震の影響だろうか、灯籠や狛犬が滑落していた

裏参道で森林浴

神社の裏手に、杉林の奥へと続く道がありました。鳥居は無いけれども裏参道?

道も歩けるくらいには整っているようだったので、少しだけ探索。

林の中に踏み入れると、体感温度で2~3℃は下がりました。木陰に吹く風がひんやりと涼しいです。

貴布祢神社の裏手から、杉林の中へ続く道があった
鳥居は無いが、裏参道だろうか。どこまで続くのかワクワクが止まらない
50mもゆけば、海岸線へぬける藪のトンネル。思わず想起したトトロの抜け道

途中で少し開けたところに出たので、少し横を見ると、海側へぬけられそうな藪のトンネルがありました。

写真だと見えにくいかもしれませんが、人一人がかがみながら進んで十分に通れる大きさで、20mほど先まではしっかり見通せます。(写真中央右、途中で倒木が確認されます)

中トトロを追いかけるめいちゃんよろしく、思わず先へ進みたい衝動に駆られましたが、服装が普段着であったため、万一のことを考えて今日はやめておきました。

近いうちに、必ず探索しようと思います。

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